【映画】小さき声のカノン -選択する人々

鎌仲ひとみ監督の最新作、「小さき声のカノン -選択する人々」を
http://kamanaka.com/canon/
昨日、渋谷イメージフォーラムで観てきました。
おすすめです!

トークイベントも連日開催中!ぜひ応援してください!
http://kamanaka.com/canon/news/information/473/

一作日、友人からFacebookでご案内を貰って、映画上映後に鎌仲監督と一緒にお茶ということだったので、急きょ行ってきました。
お茶をご一緒したのは監督も含め、総勢7名だったのですが、それぞれに自己紹介して映画の感想を語り合いました。
わたしは除染の話を聞くとジャン・ジオノの「木を植えた人」を思い出すので、その話をしました。
やはりやってもやってもの世界のようです。。。。
やってもやってもという話を聞くと、今度は、カミュの「シーシュポスの神話」を思い出すのですが、その話はしそびれました。
福島で生きていくという決断は、どうしようもないものなのか、どうしようもないと言い切る勇気もなければ、それを否定する勇気もなく、今、そこに子どもたちがいる以上、何もせずに放っておけないという現実的な判断のもとに、多くの人が支援し、せめて保養をと、多くの人が手をさしのべる。
わたしはわたしで、遠巻きながら、政治を変えられないかと、むちゃな冒険をして、今に至っているわけです。
チェルノブイリから日本に保養にやってきた子どもたち。福島から、各地に保養にでかける子どもたち。尿検査の数値の低下がせめてもの救いで、わたしたちはわたしたちの身の丈で生きるしかないのだと、あらためて学ぶ機会にもなりました。
焦ってもしょうがないのでしょう。ひとつずつしか答えは出せない。結論を急ぐのではなく、精一杯よかれと思う選択をしつつ、その選択と共に生きる。
2つのことを同時にするわけにもいかず、何かを選ぶと言うことは、その他の何かを選ばないことでもある。
人間が引き起こしてしまった原発事故と、一緒にしか生きていけない現実をあらためて見つめなおす機会になりました。

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『フタバから遠く離れて 第二部』を観てきました。

昨日、ポレポレ東中野で『フタバから遠く離れて 第二部』を観てきました。
上映後に舩橋淳監督によるティーチインがあり、舩橋監督と久しぶりにお話しすることができました。

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ティーチインで舩橋監督がお話しされたことを、ツィートしながら聞いていたのですが、以下にそのツィートをコピペします。

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双葉町からの避難者がいないのは、8つの県のみ。
双葉町民は分断されている。

双葉町で原発立地を決めたのは、二つ上の世代。
また、東京は原発の電気を使って発展した。
40年間、双葉町は確かに潤った。
しかし、双葉町は、それまでに続いていた1000年以上の歴史と未来を失った。
原発を動かすためにいったい何を失ったのか。

原発は、不平等条約。
自分が使っている電気のために双葉町の方たちに犠牲を強いてきた。
都市部の人たちは、地方に犠牲を強いてきた。
双葉町のみなさんに、福島県のみなさんに人格権を取り戻すことを優先させるべき。

日本は三権分立が機能していない。
特に検察庁。
東京電力という私企業による災害。
検察庁は東京電力を訴追すべき。

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舩橋監督は、これからも「双葉から遠く離れて」の第三部、第四部と撮り続けてゆくと、その決意を述べられました。
わたしも議員になろうとして、危険な冒険をしている最中なのですが、舩橋監督も、道なき道を歩んでいるのだなと思いました。
舩橋監督の映画、ドキュメンタリー映画でありながら、すべての避難者が立ち去った後の騎西高校の部屋のなんともいえぬ美しさが印象に残りました。わたしは映画通というわけではないですが、この画面はいったいなんなのだろうと思わせる技量が、舩橋監督ご自身を運命づけているのかもしれません。
双葉、原発立地をして、寒村が40年間潤い、そしてすべてを失ったのですが、ここで作られた電気を思う存分に使っていた東京は、何事もなかったかのようです。もし、40年間の繁栄を謳歌したことのツケが原発事故だというのであれば、東京のツケはいつ回ってくるのでしょう?
福島から遠く離れれば離れるほど、原発事故は他人事で、原発再稼働のハードルも低くなるようです。
衆院選において、自民党優位のニュースが流れてきました。にわかには信じがたい数字がまことしやかに報道されています。
わたしたちは、フクシマから何も学ばないでいるつもりなのでしょうか?

井戸川克隆さんのこと

10月9日、福島県知事選挙が告示されました。26日が投票日とのこと。
わたしは脱原発系のいくつかの団体に所属しているのですが、井戸川さんが立候補を表明する前に、A団体から聞こえてきたのは、都知事選で分裂させられてしまった宇都宮陣営と細川陣営が、福島県知事選挙では意見統一を図りたいという話でした。そこでは、熊坂さんを応援するということで、ほぼ話がまとまりつつあったのです。
次に、井戸川さんが立候補を表明した段階で、B団体は、井戸川さんの応援をしようと浮足立ちました。わたしは最初はブレーキをかける役目を担いました。情報収集の必要ありと考えたからです。
また、C団体は、候補者の統一ということを言い始めました。都知事選では、候補者の統一でさんざんいやな思いをさせられました。率直に言って、候補者の統一をなしとげるには、情報収集能力、人脈、その他、ものすごい能力が必要です。率直に言って、そんな才能のある人間は、都知事選においては一人もいなかったのです。なので、そのメーリングリストには、くだらないからやめろと書きました。候補者にとって、迷惑なだけだからです。
次に、D団体は、熊坂さんを応援し、井戸川さんにエールを送るという話でした。
そのような流れの中で、わたしはじぶんの意見が比較的通りやすいB団体について、規模も大きくない(県知事選への影響力はほとんどない)ところから、あえて井戸川さんを応援することでまとめられないかと考えました。井戸川さんを一人ぼっちにしたくなかったからです。ところが、情報が遅れて届いたB団体は、熊坂さんを応援したい人も現れ、結局、あえて誰を応援するかは表明しないこととなりました。
今朝、飯田哲也さんが、Facebookで、福島県知事選の選挙ポスターをUPしてくださいました。
井戸川さんのお考えが痛いほど、伝わってきました。
どうかみなさん、熊坂さんを当選させるべく動いてください。
そして、井戸川克隆さんのメッセージを受け止めてください。
福島復興が悪いと言うことはさすがに気が引けます。
しかし、「逃げろ」と言い続ける必要はどうしてもあるのです。
政治は、本当は逃げやすくすべきとも思っています。苦しい苦しい話です。
ドンキホーテ、井戸川克隆!
井戸川さんの心意気に乾杯!
一つ、提案です。熊坂さんに投票をしましょう。井戸川さんに寄付を送りましょう!

飯田哲也さんがFacebookにupしてくださった写真
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下記、今月いっぱい無料です。

ふくしまを忘れない!水爆実験の島・ビキニに学ぶ

自分が参加したイベントをブログにまとめようと思っているのだが、この重要なイベントについて、まだまとめていなかった。紹介の順序が前後するが、10月17日(木)に地元、西東京市、田無公民館で開催された「ふくしまを忘れない!水爆実験の島・ビキニに学ぶ」について、書いておくことにする。

8月に「第五福竜丸」の映画を見たのだが、ロンゲラップ島(マーシャル諸島)で起きたことに関しては何も知らなかった。ビキニ被災を世界に知らせることをライフワークにしてきたというフォトジャーナリスト、島田興生さんの講演を聞いた。ゲストは、子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表、山田真氏。

ビキニから180キロ離れたロンゲラップという島に起こった悲劇は、ふくしまに警告を与えている。否、これを警告として受け止める必要がある。
水爆ブラボーが爆発して、ロンゲラップ島に、白い粉が降りそそいた。何も知らずその白い粉を浴びた島民。島に退去命令がでたのは、58時間後で、3年後に帰還。安全宣言を受けての帰還だったが、相次ぐ健康被害に島民は決意を固め、1985年にロンゲラップ島を脱出することになる。水爆の爆発が1954年、1957年に帰還。そこから28年後、全島民が島を脱出する決意をしなければならなかったこと。この事実にきちんと正面から向き合うのであれば、福島から避難している人たちは、福島に帰るべきではないと言わざるを得ない。(少なくとも子どもたちは、福島から避難すべき!ということでもある。)

参考:ふるさとはポイズンの島

また、水爆実験の犠牲になった船として有名なのは「第五福竜丸」のみであるが、当時、周辺海域に日本の漁船は1000隻出ていたと言う。だれがどこでどんな口止めをされていたのか。なぜ、わたしたちは、他の漁船員のことを何も知らないのだろう?

山田真先生は、被災者支援法は、高速道路無料化以外に有効な施策は提示されていないこと、癌が発症したとしても放射線のせいかどうか見分ける方法がないこと、日本で染色体分析の動きがないこと(※放射線により、染色体の7番目に異常がでるとされる)、福島の人たちがあきらめはじめていること(何も言わなくなった。相談に来る人も少ない。放射のことを忘れようとしている)。そして、避難生活が苦しいこと。特に自主避難をされている方たちに対し、勝手に逃げた人とされ、母子避難をしている家庭では父親が責められている。。。また、避難先でも、さまざまな情報を提供している愛知県、何の情報もない三重県と差があり、避難していることが間違っていないと言ってくれる人がいない。5万人戻った。ADR(裁判外紛争解決手続)による賠償は、加害者主導で行われており、東電が適当に行っている。。。などなど、今現在の福島の方たちの苦しい状況を報告された。

終わりなき福島原発事故 除染作業の実際

きょう、地元、西東京市 田無公民館にて、講演会「終わりなき福島原発事故 除染作業の実際」があり、参加してきた。講師は、山谷労働者福祉会館活動委員で、被ばく労働を考えるネットワークのなすびさん。
3.11前は被ばく労働は原発の中と考えられてきたが、今はそこらじゅうが被ばく労働の場となっている。線量の高い場所に荷物を届ける宅配業者、JR職員、中古車あっせん業(中古車の中には驚くほど線量の高いものがあり、海外に送られたものの陸揚げされずに送り返されるものもある)。。。。

阿倍首相のアンダーコントロール発言や、昨年の野田前首相の収束宣言など、政治スケジュールが優先されて、そのたびに労働環境は悪化している。

除染作業員には、労賃とは別に、危険手当が一日10000円支払われることになっており、これは、除染作業を請け負った大手ゼネコンの最初の見積もりに含まれていて、ピンハネされてはいけない手当である。危険手当のことを知らされずに安価な賃金で雇われて、後に、危険手当が世間的に知られるようになると、当初の労賃をより低く設定し、危険手当を加算したものから、本来、差し引かれるべきではない宿泊費・食費等の費用を控除されて、結局、危険手当が加算されてもわずかな金額になるという実態があった。紛争のテーブルに載せることのできた人は解決金として本来の額を得ることができた(もっとも半年くらいかかった)が、そうでない人も大勢いる。

講演終了後の質問コーナーで、国会議員はとりあげているのかという質問があった。共産党の議員が1回、福島みずほさんが1回、とりあげているが、それきりになっているとのこと。
労働環境のまずしさは、まるで戦前の話を聞いているようだった。
なんでこんなことがまかりとおってしまうのだろう。
わたしも、ハローワークでもっときちんと条件を明記するようにしたらよいのではないかと質問したが、ハローワークへの働き掛けはすでに行われていて、それよりも、ハローワークを使わずにネットからのあいまいな求人情報に応じてくる人が大半であることが問題とのこと。
調査のしようはいくらでもあるように思ったが、調査のための予算がある人(たとえば国会議員)が、きちんと動かないかぎり、難しいのだろう。
それにしても、このような仕事に従事する人を確保するために、一部の人たちの貧しさが必要だというのであれば、やはりおかしなことだと思うし、どんな人が従事するにせよ、きちんとした労働契約が結ばれ、正当な賃金が支払われ、かつ将来的な健康についても留意される必要がある。

放射線管理手帳というのがあるが、これも、可能な限り発行するというルールだそうで、必ず発行するというふうにはなっていないとのこと。どうしてこのように抜け穴だらけなのだろう。

会場に来ていた郡山出身の方から、除染を市に頼むと、シルバー人材派遣センターから人がやってきたり、また、町内会で除染をしているという話があり、それを受けて、なすびさんが、短時間であれ、除染をするには、きちんとした防御が必要であることを強調された。町内会の除染には、子ども連れで参加する人もあり、除染はわきあいあいとするようなものではないし、マスクをすると不安を煽る指摘されることもあり、ここにも一筋縄でいかない問題の困難さがある。指摘しなければ、言わなければ、見えなければ、被ばくはないことになると考えているかのようだ。「風評被害」という言葉はもろ刃で、ここでも罪つくりだと思う。実態を覆い隠すのにこれほど有用な言葉もない。

木田節子さんも文章を寄せているブックレット「原発事故と被曝労働」を買って帰ってきました。

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参考:被ばく労働を考えるネットワーク http://hibakurodo.net/

井戸川克隆 前双葉町町長から頂いた本

過日、井戸川克隆さんから本を2冊いただきました。
県民健康管理調査の闇被ばく労働自己防衛マニュアル
この後、まとめますが、今日地元で参加した講演会「終わりなき福島原発事故 除染作業の実際」でも「被ばく労働自己防衛マニュアル」が紹介されていました。

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