高齢者向け弁当宅配

2月に西東京市議の補選に出て以降、今まで存じ上げていなかった西東京市在住の方から、お電話をいただくことがある。選挙の直後にお電話をいただいていて、なかなかお目にかかることができずにいたAさんと、3日前に待ち合わせをして、お話を伺った。で、きょうは、Aさんの提案で、高齢者向けのお弁当の宅配に同行してきた。高齢者社会といわれていることの実態をみて欲しいとのことだった。

朝7時40分に自宅の近くまで迎えに来ていただいて、まず、お弁当を車につめこむところから見学開始。お弁当の渡し方や、さまざまなお客さんの様子を伺いながら、最初の宅配先へ向かった。
お弁当の種類は2種類。ご飯付きと、おかずのみがあって、おかずのみの方がおかずの種類が多く、金額が少し高いのだそうだ。

お弁当の渡し方には3種類。、

1.お弁当の手渡し
2.保冷材入りの箱に入れて手渡し
3.保冷材入りの箱に入れて玄関先に置く

1と2の手渡しの方が応答しなかったり、3のお弁当がまったく手がつけられていない場合は要注意で、緊急時の連絡先の申し出があれば、そこに連絡をとらなければならない。お弁当の宅配には安否確認の要素もあるのだ。
向かう先はさまざま。きれいにお庭を整えている上品なお宅もあれば、スラム化している団地、ゴミ屋敷化しているお宅もあるという。もっとも、スラム化していると言われても、東南アジアのいかにもという光景があるわけではなく、団地の様子がちょっと寂しいのかなというくらいのことしかわからない。ゴミ屋敷と言われた家も、ドアを開けてみないかぎり、外からは普通の家庭に見える。(※わたしは家の中は覗いていない)

寂れてしまった団地などは、団地の中でローテーション的に引っ越しすれば、きれいになるかもと、ふと思うが、同じ団地内でも引っ越すとなるとたいへんだろう。しかも高齢者となると、サービスとして行うとしても、同意が得られるかどうかわからない。(得られるかもしれないが。)

この仕事はインフラとして関わっていると、Aさんがおっしゃった意味が、一軒一軒まわっていくうちにわかってきた。お弁当を手渡せる人は最も元気な人で、保冷材入りの箱の人は冷蔵庫に入れる手間を惜しんでいて(それもおっくう?)、玄関先を選んだ人は、玄関まで出てくるのに時間がかかるからというのが理由だったりする。お礼が言いたいからピンポンを押してくれと言うお客さんや、プレゼントをくれるお客さん、話好きのお客さんなどなど、比較的元気なお客さんはそれぞれの個性をかいまみせてくれるが、単に家の前に置くだけの人はどんな方なのかわからない。

一人で2つお弁当を頼む人は、同じものを一日2回食べていることになる。ご飯付きとおかずのみを一つずつ頼んでいる人は、中身の多少の差を楽しんでいるのか。

お弁当宅配もさまざまな会社が取り組んでいるようで、一週間おきに業者を変える人もいるらしい。(※注文の単位が5日間もしくは7日間)

Aさんは、2年ほどこの仕事に携わっていて、その間、年に3~4人が亡くなり、お弁当を届けに行ったらお葬式だったこともあったという。

人生の最後にお世話になるお弁当の宅配。これが届かないと、食事を食べそこなってしまう人がいる。一食の代金は500円台。年金で支払うことのできる金額だ。

いまちょっとネット検索したところ、お弁当宅配自体は、高齢者向けと謳っているわけではない。ただ、実際に利用する人が高齢者だということのようだ。あと、障害をもっておられる若い人も利用しているとのこと。

何をどうして欲しいというわけでもなく、見てほしいということの意味も、わかったような気がする。
Aさん、ありがとうございました。

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