小西洋之参議院議員がつまらない攻撃にさらされていることについて心を傷めている者の一人として、書いておきたいことがあります。
放送法解釈を巡る総務省文書についての小西議員による告発がなされたときに、わたしは、若い頃に観た映画「敦煌」のラストシーンを思い出しました。それは、文化遺産を戦乱から守るために僧侶等が持ち出すシーンで、宝物を後の世に託したのです。
また、タイのエメラルド仏が落雷で破壊された仏塔の中から出てきた漆喰の仏像のさらにその中に隠されていたこと、同じくタイの黄金仏が漆喰で覆われた仏像が寺院を取り壊す工事中に落下して、その中から現れたことも思い出しました。
今回の一連の騒動との違いは、宝物を隠した時代と、見つかった時代が数百年を隔てており、権力構造が全く異なっていたことなのだろうと思います。
小西議員が告発した文書は、政権が変われば正当に評価されるであろうことを期待された行政文書だったと言うことができるでしょう。
極秘であって、管理簿不記載であったのは、むしろ当然で、そのときの政治情勢下ではいかんともしがたい政治状況を、時を見据えて公表し、政治を糺すことを目論んだ文書だということです。
岸田政権(宏池会)が安倍政権より多少はましであって欲しいというわれわれの願いが、単に期待外れでしかないのか。
問題の文書は、総務省のサイトで公開されているので、下記にリンクをつけておきます。
もっとも、高市早苗氏が「捏造」と発言したことは、大いなる収穫だったと思われます。この文書にあるような真似をしてはいけないと、本人も自覚しているということですから。
つぎに憲法審査会に関する小西議員によるサル発言ですが、わたしはこの発言に同意します。
安保法制が成立したときに、あの内容空疎な国会でのやりとりについて、単に時間を費やしただけのことなのに、〇〇時間議論を費やしたと言った詭弁を思い起こせば、憲法改正に向けての詭弁の準備にしか見えないわけで、まともに憲法に関する真摯な議論を期待する立場からすれば、毎週薄っぺらな内容を積み重ねるアリバイ作りに対して苦言を呈するのは当たり前で、これに対して鬼の首をとったかのようなはしゃぎようは、盗人猛々しいと言うべきでしょう。しかもその盗品が、憲法のクォリティとなれば、結果の重大性に目眩がします。
加えて立憲の泉代表などは、いったい何を考えているのか?
そのうち、自民党に鞍替えしないといいのですが。