【西東京市】日本人はいかに生きてきたか ―柳田国男『遠野物語』から考える―

図書館主催の大人のための連続講座「日本人はいかに生きてきたか ―柳田国男『遠野物語』から考える―」に参加してきました。今日は第2回目だったのですが、第1回目は、市民文化祭に出展した「インターネット映像研究会」と同時間帯で出席できなかったのです。
きょうのテーマは「老いや死をどう受け止めるか ―神隠し・臨死体験など―」でした。
日常の空間から死の空間(墓場)と老いの空間(蓮台野:姥捨て山?)が見えるところにあったというお話から、姥捨て山からの脱却(60を過ぎたからと言って老人をどこかに追いやったりはしない)、人生50年だった時代から、人生80年時代へ。老いの時間が長くなったこと。無縁社会のこと。認知症のお年寄りが1万人も行方不明であること、100歳を商品化した日本(金さん銀さん)は、国際的にみて稀な国であることなどなど。
遠野物語の逸話と照らし合わせる形で、現代を浮き彫りにするとても興味深い講座でした。
講師の石井正己先生は、東京学芸大教授で、NHK Eテレ「100分de名著」や総合「歴史秘話ヒストリア」にも協力しておられ、講義はとても面白かったです。次回は11月30日なのですが、満員御礼状態とのこと。今からの予約は無理のようですが、当日、空きがあると入場できるようです。どうしても参加したい人は当日行ってみるといいかもしれません。田無公民館で、10時半からです。

わたしはだいぶ前に「遠野物語」を読んでいるのですが、この中で一番印象に残っているのは、子どもがご神体と遊ぶ話です。絶対に見てはいけないと言われるご神体ですが、見てはいけないといわれると見たくなるのは誰しも同じで、実際に見てみると単なる木切れだったりするようなのです。遠野物語のなかの逸話で、子どもがそのご神体を取り出して、川に流してみたりいろんないたずらをするというのがあるのです。それを見咎めた大人が子供を叱ると、大人の方に罰があたった。なぜなら神様は子どもと遊ぶのが好きだったから。この話、わたしは大好きなのです。

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