ピンク・フロイドの映像を見たら詩人になった

心が逃げてゆく わたしから
かつてわたしであったものたち
叫び声などどこにも聞こえない
あるのは残骸
はがれおちた漆喰
かつてかわいらしい洋服を着ていたはずの裸の人形

どんなに美しくても
そこはわたしの生きるところではない
どんなに光り輝いていても
そこにわたしは住むことができない
地球の表面にへばりついて
わたしは生きている
羽ばたくための羽根など
はじめからもっていない
金属の塊の中で空を飛ぶことはあっても
自由なんかじゃない

息をしている 息をしている
息をしている 息をしている
息をしている 息をしている
息をしている この地球の上で

テクノロジーの刃を喉元につきつけられて
素手で払おうとして指を傷つけた
血がながれたのだけれども
誰にも気づいてもらえなかった

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