西東京市の選管から連絡があり、下記のポスターがこの時期に掲示できないものであると言われた。したがって、はがして歩かないとならない。
今、市内に掲示されているポスターのうち、とくにこのポスターがいけないという理由について尋ねたところ、
■西東京市選挙管理委員会の説明
1.政治団体としてのポスターであると仮定しても、割合が二人の弁士に対して、同じ面積を有していない。(面積が明確に3等分できないことが問題)
2.掲示責任者として山口あずさを掲示していることにより、宇都宮健児氏より目立つ(下の方のオレンジのラインのところに掲示責任者が記載されている)
3.演説会の時間帯が書いていない
ポスターを作成するにあたり、選管に問い合わせるべきとアドバイスを受けてもいたのだけれども、大丈夫と思って省略してしまった。この時期のポスター掲示は、任期満了前の半年間に該当することから、候補者の個人ポスターは掲示できないことになっている。しかしながら、政党ないし政治団体(後援会はNG)による政治活動であればよいというルールがあって、実質的には「選挙のため」であるにもかかわらず、政治活動としてのポスターの掲示が許され、選挙のために、みな政治活動ポスターを貼りはじめる。要するに大人がついている嘘なのだ。
わたしは本質論から言って、要するに「政治活動」ならいいはずと思ったので、上記のデザインで大丈夫だと考えていた。(もっとも政治団体でないとダメとう発想が抜けていたし、時間についてもどうせ嘘なので、失念していた。。。)←油断しすぎ。
ちなみに、チラシの場合は、①候補者の特定、②選挙の特定、③投票依頼、の3つの要件がそろうとNG。これを踏まえていれば、おまじないのような「討議資料」の記載は意味がないと考え、わたしは過去2回の選挙の前に配布したチラシに、「討議資料」の文字は入れなかった。迷信を信仰するのは愚かだと思うからだ。その代わりに、投票してくださいとはもちろん書いていないし、選挙日も書かなかった。この時期に配られるこの手のチラシを見て、ピンと来ない読者は、そもそもターゲットではないだろう。わたしは、じぶんが誰で何をしたいのか、それ以上のことを記載する必要を感じなかった。したがって、わたしのチラシは政治活動の範疇であった。
さて、ポスターについて、宇都宮健児さんには、実際には告示日(12月14日)にいらしてくださいとお願いしてあることから、この実際の日付を入れれば、嘘のないポスターになると考え、その日付を入れてもいいかと選管に問い合わせをした。すると、選挙期間中を書くと、選挙活動になるからダメだといわれた。なのでしかたなく、エイプリルフールをあえて選んで書いたのだ。(この講演会日程がたいていは嘘であることも選挙の常識とされる。なぜなら、この政治団体ポスターは選挙の前にははがしなさいというお達しがくるため、講演日の告知も忘れ去られてしまうという算段なのだ。誰かに聞かれたら、「予定していたのですが中止になりました!」と、大人はうまい嘘を吐くことだろう)。
西東京市の選管から電話を受けた後に、都の選管と、総務省と、警察に電話してみた。
すると見えてきたことがある。
- 総務省 ⇒ 法的見解を示すが実際の指導等は行わない
- 選管 ⇒ 総務省の見解に基づき、柔軟に判断し、必要があれば指導
- 警察 ⇒ 違法を取り締まる(選管の見解に基づく。選管と見解を異にすることはない。また、独自に取り締まることもある)
※ポスター掲示の違反は親告罪ではない。
恐らく、わたしがここでポスターをはがさないで頑張ったとして、摘発され、それが裁判になったとしても負けるだろうと思われる。
なぜなら、上記の役割分担はそれなりの合理性を有し、選管による判定には裁量が認められるはずだからである。
これらを踏まえて、総務省に再度、電話をしてみた。
西東京市の選管は、わたしのポスターが明確に3つのエリアに配分されていないことがよくないとのことだったのだが、総務省は、明確に3つにエリアを配分しなければならないという指導はしていないとのこと。要するに、そもそもが大人のついている嘘なので、現地で不公平感のはいように柔軟に扱うことが法の趣旨であり、運用がこのようになされていることの趣旨でもあるのだ。しかし、せっかく人間が柔軟に判断せよとされている部分に、算数的な尺度しか持ち込めないのが現実なのである。印象批評で違法性なしと判断をくだすことができず、明確な色分け、エリア分割という話に落とし込むことになる。ちなみに、総務省は、小さな文字で記載してある掲示責任者が一方の弁士と同じであることをもって、どちらか一方の弁士が目立つという見解はとっていなかった。選管はというより、サラリーマンはじぶんの感性に自信がもてないのだろう。なので、どれほど小さな文字で書かれようと、NGとうい結論を出す。法の趣旨ではないが、そこまでは考えが及ばない。組織の一員であるということのバイアスも大きいのだろうと思われる。歴代上司の感性に若い部下の感性も汚染されていく。
西東京市の選管職員はとても気のいいお兄さんで、わたしがときどきいじめていて(裁判まで起こしているし)、いつも気の毒に思っているのだけれども、彼とお話ししていると、サラリーマン的立場でいたしかたない感がただよってくる。実際にじぶんがどう考えるのかを問い詰めるのは酷だよなと電話口で思ったりする。。。。
総務省の電話口はいたって冷静。まぁ、かなりのインテリくんなのだろう。条文もすらすら答えられる。警察は不思議なことに電話口の口調がなぜだか好戦的で、条文は何条かと聞くと、明確には答えられず、いろんな条文があるという。つい、いじわるをしたくなり、この時期のこのポスターに該当する条文は何条かと問い詰めてしまった。
ちなみに、ことの発端は市民からの選管への通報とのこと。どんな市民がどんな正義感に燃えたのかはわからないが、選管が言うには、「不法行為をする人と思われるといけないので、ポスターをはがしてください」とのこと。このポスターを見て、不法行為だという思う人は、さすがに珍しいだろう。