アーティスト

きのうは一日千葉にいた。
わたしはそもそもは自然音痴なので、自然に親しんでいたわけではなく、千葉市美術館に行きたかったのと、以前から行ってみたかった本八幡にあるサードステージというライブハウスで、三原康可さんのライブがあったので、その3つを一日で実現させたのだ。

注:このブログはそのときどきの気分で文体が変わってしまいます。きょうはこういう気分。

千葉市美術館では、「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」を観た。この展覧会、副題に「マネジメントの父」が愛した日本の美、とある。あの「もしドラ」のドラッカーの美術コレクションなのだ。もっともわたしが興味を持ったのは、日曜美術館での田中泯さんの朗読だった。
ピカソが嫉妬した日本の美術。日本の美は外国をぐるっとまわって帰ってきて、やっと本国で気づかされる(ことが多い)。
3.11以降、わたしは日本を再発見したくなっている。
一番気に入ったのは、谷文晁の「月夜白梅図」、日本のドラクロアかと思った。そう、なぜだか西洋美術で日本の美術を解釈してなるほどと思ってしまう。ある種の病なのだけれども、水墨画でこんな風に光を感じるとは!

西東京から千葉市美術館まで2時間ほどかかって、美術館から本八幡までも約1時間ほどかかった。もっとも東京へ戻る方向なので、ライブを観てからでもじゅうぶん終電には間がある。
駅前にサードステージというライブハウスがあって、ここのオーナーが石橋勲さん。彼は年末のニューイヤーワールドロックフェスティバルでいつも最初に演奏する。石橋さんにとっては先輩にあたるジョー山中さんや力也さんや桑名さんが亡くなられてから、ステージが一段とよくなって、ミュージシャンも世代から世代へ受け継がれるのだなと思わされた。

IMG_6876
石橋勲さん、わたし、三原康可さん

三原康可さんは、内田裕也&トルーマンカポーティロックンロールバンドのギタリスト。Facebook上の友人でもあり、脱原発や九条に対するスタンスは同じ。
この日のステージでも、「憲法九条を動かそうという動きがあって、それに反対しています!」と言ってくれた。

995061_484981058325591_4684462217163026988_n

やっぱり、ちゃんと言うべきことを言ってくれないと、わたしのようなオーディエンスは物足りなく感じる。
「2音」と名付けられたステージは、三原さんがギターとボーカル。それから、チャッピー武田さんがドラム。この二人による2つの音。完成された音の世界にひきこまれた。いいステージだった。
途中、ユーヤトークもあって、ユーヤさんがチューニングなんかどうでもいいんだ!と言ったそうで、そういわれてもねと。。。
光景が目に浮かぶ。これを聞いて内田裕也がいい加減だと思うとすれば、観客としては、まぁ素人。
内田裕也のバンドがいいかげんなチューニングで済ますミュージシャンで構成されているはずがないのだ。そんなことはわかったうえでの御大のわがまま。
いい加減にやっているようでいて、完成されているという美学。
こちらもフォーマルの着くずしと同じで、凡夫がやれば目も当てられない。
そこらへんの評論家気取りは、表面しか見抜けない。
生真面目な音楽家はそもそも当たり前のことを当たり前に語る。

エーゴと日本語論争も、誰も指摘しないけれども、英語はロックにおいて、キリスト教におけるラテン語とかヘブライ語と同じなのだ。日本語をエーゴみたいに発音するのはある種の発明だけれども、ガイジンと一緒にステージを観ていて英語の歌詞と日本語の歌詞が混在する曲でノリが狂うという体験をした身としては、あれは議論ではなく、体感の話だったのだと思う。商業的な成功は後付けの論証のように言われるが、どうでもいいことだ。日本が世界の辺境でなくなったとでもいうのなら別だけれども。

山口あずさと原発ゼロにする会、Rock’n Rollienneの巻でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA